峯野龍弘のアガペーブログ

心にささやかれた愛の指針

第3章 世俗的価値観の2大元凶(世俗の価値観と我執)

                           G.サーバント 

第3章 ウルトラ良い子の抑圧の最大要因

さて、今日の日本社会においては、「ウルトラ良い子」たちが、極度の抑圧の危機に遭遇していると前述しましたが、ではその抑圧の主たる要因が何であり、その原因がどこに潜んでいたのか記してみましょう。

 

先ずはじめに、その結論をあらかじめ明示しておきたいと思います。そこで筆者は、何のためらいもなく、今次のように申し上げたいと思います。すなわち、その抑圧の根本的原因、つまり諸悪の根源は、実にお互い人間各自の内を巣食い、且つ支配している欲望を基盤として、その上に構築されている「世俗的価値観」と「我執」とにあるのです。これを「ウルトラ良い子」を抑圧する「二大元凶」と呼んでもよいと思います。

 

そこでこの二大元凶について、以下において更に詳述してみましょう。

 

  1. 世俗的価値観

先ず、第一に「ウルトラ良い子」を抑圧する第一の元凶は、何と言っても「世俗的価値観」です。筆者自身、長い間これらの心傷つき病んでいる「ウルトラ良い子」たちの抑圧の真の原因が何であるか理解していませんでした。もちろん、心理学者や精神科の専門医が通常解説するその理由や原因については、充分に弁(わきま)えていました。しかし、約45年間に亘り、多くの心病み傷ついている青少年と交わり、彼らの心の奥底から苦悩に満ちた叫び声によくよく耳を傾け続けるうちに、ある時ハッと気付かされたのです。彼らの共通の叫びは、実に彼らを深く傷つけ悩ませ続けてきた抑圧の究極的原因が、何とお互いの日常生活の中に支配している「世俗的価値観」にあったという厳かな事実を気付かせてくれたのでした。

 

それまでは何の疑問も抱かず、いやむしろこの「世俗的価値観」こそがお互いの人間生活にとって最も重要かつ不可欠の生活の知恵であり、価値観であるかのように思い込んでしまっていました。それゆえ、各自の内にこの「世俗的価値観」を確立することこそ、より重要なことであり、かつこれなくして社会生活は成り立たないと思い込んでいました。

 

ところが、これこそが重大な間違えであって、「ウルトラ良い子」たちは生まれながらにして、まさに本能的にとさえ表現してよいほど、この誤りを認識しており、これに対して拒絶反応を示し続けてきていたのです。

 

ところがこのような彼らに対して、この世は絶えず繰り返しその「世俗的価値観」を強要し続けてきていたのでした。彼らは成長し、もの心が付けば付くほどそれに拒絶反応を示し、のみならず「世俗的価値観」よりも遥かに尊い「真の価値観」との出会いを渇求していたにもかかわらず、悲しいかな、通常人にはそれがたとえ親であっても理解できず、なおも執拗に「世俗的価値観」の強要をし続ける結果となってしまったことにより、彼らの生れながらの純粋且つ鋭敏な「ウルトラ感性」、つまり「ウルトラ良い子性」が、早くも極度の抑圧に遭遇し、それが徐々に傷つき、病むようになってしまったのでした。

 

筆者は、この深刻且つ重要な真理を、心傷つき、病んでしまった彼らを通して、厳かに開示されたのでした。そこで、この「ウルトラ良い子」たちを抑圧する諸悪の根源である「世俗的価値観」とは何かについて、更に解説いたしましょう。(続く)

 

 

f:id:minenotatsuhiro:20180916140507j:plain