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峯野龍弘のアガペーブログ

心にささやかれた愛の指針

神の愛(アガペー)を体験 : 今風、善きサマリヤ人

イエス様は、様々なたとえを通して「真理」や「大切なこと」を語られました。

聖書の中でも有名な「善きサマリヤ人の話」をご存知ですか?

「今風、善きサマリヤ人」を書いてみました。お味わい下さい。

 

 

アメリカ在住の老日本人牧師夫妻が、

あるとき夫婦で車の旅をした。

都会を離れ、何処までも続く

長い道のりをひたすら車を駆って、

野越え、山越え走り続けた。

 

時は春。美しい草花が沿道を彩り、

あたかも老夫婦の前途を祝うかのごとく

その目と心を楽しませてくれた。

 

とかく疲れやすい年頃ではあったが、

二人は若者のように旅を謳歌した。

 

やがて車は深い森に覆われた

車並みもまばらな山中にさしかかった。

こここそしばしば世間の噂に上る

危険に満ちた犯罪多発危険地域。

老夫婦の心に俄かに不安が押し寄せた。

 

時刻も早夕暮れ時を迎え、暗くなり

不安は増し、緊張と恐怖が心に忍び寄る。

昼間の旅の楽しみは、もはやいずこに・・・。

 

その時、突然エンジンに不調が起こり、

遂に車は山中で動かなくなった。

 

老牧師夫妻は、身の危険を感じつつ

あわてて幾度もスターターを回したが、

エンジンは一向に作動しなかった。

 

仕方無しに車の外に出て、手を振り、

声を上げて他車の助けを求めた。

 

しかし悲しくも誰も止まってはくれず、

巻き添えを恐れてでもいたのか

高級車の紳士も、定期便の運転手も、

やさしそうな女性ドライバーも皆、

見て見ぬ振りをして、つれなく過ぎ去った。

 

やがて間もなくすると遠く彼方から、

傷だらけのオープンカーに乗った

髪の毛を染め、耳輪、鼻輪あしらった、

見るからに恐ろしい素性の悪そうな、

若者たちが狂喜しながら近づいてきた。

 

老牧師夫妻は、思わず息を呑みながら

神の憐みとご加護を求めてこう祈った。

「おお、憐み深い天の父よ、

我らを試みに合わせ給わず、

悪より救い出し給え」と。

 

その時、彼らの車が横付けに止まった。

刺青のある彼らが飛び降りて来て言った。

「爺さんたち、どうした、故障かよ!

俺たちに任しておきな。修理工さ。」

彼らのお陰で車は見事に、修復された。

 

彼らは再び傷だらけの自動車に飛び乗り、

何の報いも望まず、さわやかな笑顔を残し

爆音も高く、疾風のように去って行った。

老牧師夫妻は、今更のようにこう思った。

彼らこそ実に「良きサマリヤ人」だったと。

  

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G.サーバント(峯野龍弘)

 

 

 

<口語訳聖書 ルカによる福音書10章25~37節>

10:30 イエスが答えて言われた、「ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗どもが彼を襲い、その着物をはぎ取り、傷を負わせ、半殺しにしたまま、逃げ去った。

10:31 するとたまたま、ひとりの祭司がその道を下ってきたが、この人を見ると、向こう側を通って行った。

10:32 同様に、レビ人もこの場所にさしかかってきたが、彼を見ると向こう側を通って行った。

10:33 ところが、あるサマリヤ人が旅をしてこの人のところを通りかかり、彼を見て気の毒に思い、

10:34 近寄ってきてその傷にオリブ油とぶどう酒とを注いでほうたいをしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。

10:35 翌日、デナリ二つを取り出して宿屋の主人に手渡し、『この人を見てやってください。費用がよけいにかかったら、帰りがけに、わたしが支払います』と言った。

10:36 この三人のうち、だれが強盗に襲われた人の隣り人になったと思うか」。

10:37 彼が言った、「その人に慈悲深い行いをした人です」。そこでイエスは言われた、「あなたも行って同じようにしなさい」。